カメラにはいくつもの撮影モードがありますね。ある程度使い慣れたところで「auto」以外で撮影しようとしたとき、どの撮影モードを使えば良いか迷ってしまう方も多いでしょう。
この記事では、カメラのいろいろな撮影モードの使い分け方を解説します。また、それぞれの撮影モードの使い分け方に加えて簡単な使い方も紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
[講師]フリーカメラマン honami
カメラ初心者の方は「プログラム(P)モード」
「プログラム(P)モード」は、カメラを初めて手にする初心者の方におすすめの撮影モードです。ほかにも、サッと綺麗な写真が撮れるので、シャッターチャンスを逃したくないときにも大活躍します。カメラ本体では「Pモード」と表記されます。
「プログラム(P)モード」って?
「プログラム(P)モード」とは、オートモードと同じようにカメラ側が撮影時のシチュエーションに合わせて、「F値」や「シャッタースピード」を自動で設定してくれる撮影モードです。
カメラ本体がそのシーンに合わせた適切な設定で撮影してくれるので、カメラの機能に慣れたいときにもぴったりですよ。
「Pモード」には「プログラムオート」と「プログラミングシフト」がある
ちなみに「プログラム(P)モード」には、プログラムオートとプログラミングシフトというふたつの撮影モードがあります。
プログラムオートとは、使い方は通常のオートモードとほぼ変わりませんが、オートと比べると明るさや色味を調節できるというメリットがあります。
プログラミングシフトとは、カメラが設定した適正露出の中で、F値とシャッタースピードのバランスを撮影者自身が調整できるのです。自分の好みの写真を撮りながら、カメラの機能に慣れたい方におすすめの撮影モードなんですよ。
「Pモード」の使い方
プログラムオートと、プログラミングシフトの使い方をそれぞれ解説します。
プログラムオートの使い方
プログラムオートモードに設定後、実際に撮影してみて(モニターで確認するだけでも構いません)
- 明るさが足りない場合は、露出補正の調節
- 色味が気になる場合は「ホワイトバランス」を調節
してみてください。
プログラミングシフトの使い方
プログラミングシフトモードに設定後、カメラ本体にあるダイアルを左右に動かすと、適正露出からずれない程度に絞り値とシャッタースピードが調整できます。
メーカーによって左右どちらに回すとよいか違うので、お手持ちのカメラに合わせて調整してくださいね。
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ボケ感のある写真を撮りたいときは「絞り値優先(A)モード」
一眼レフならではのボケ感のある写真や、明るくふんわりとした雰囲気の写真が撮りたいときには「絞り値優先(A)モード」がマスト。カメラ本体では「Aモード」と表記されます。(Canonは『Avモード』)
「絞り値優先(A)モード」って?
「絞り値優先(A)モード」とは、撮影者が設定した絞り値に合わせてカメラ側が適切なシャッタースピードに設定してくれる撮影モードです。お好みのボケ感で撮影できるので、Pモードやオートと比べると一気に表現の幅が広がりますよ。
ちなみに、絞り値とはボケ感をコントロールする数値のこと。「F値」とも表現されます。F値は使用するレンズによって設定できる数値の幅が変わります。
「絞り値優先(A)モード」の使い方
「絞り値優先(A)モード」の使い方を解説します。
まず、絞り値優先(A)モードを使うために、F値のしくみを覚えましょう。
- F値を小さくしたら、背景がボケて明るい写真が撮れる
- F値を大きくしたら、全体にピントが合ってアンダーな写真が撮れる
カメラを「絞り値優先(A)モード」に設定後、お好みの写り具合に合わせてF値を調節しましょう。F値を調整後、シャッタースピードを確認してあまりにも遅い場合(SS1/100以下を目安に)は、ISO感度や露出補正で明るさを調節してください。
シャッタースピードが遅くなってしまうと、写真がぶれてしまいます。
▼さらに詳しい記事はこちら
動きの速い被写体を撮影したいときは「シャッタースピード優先(S)モード」
シャッタースピード優先(S)モードは、ペットや運動している子どもなど、動きの速い被写体をブレずに撮影したいときにおすすめの撮影モードです。カメラ本体では「Sモード」と表記されます。(Canon、ペンタックスは『Tvモード』)
「シャッタースピード優先(S)モード」って?
シャッタースピード優先(S)モードとは、撮影者が設定したシャッタースピードに合わせて、カメラ側が適切な絞り値に設定してくれる撮影モードのことを言います。
ちなみに、シャッタースピードとはシャッターを切る速度のこと。数字が小さいほど遅く、数字が大きいほど速くシャッターが切れます。カメラのモニターでは、シャッタースピードのことを「SS」と表記されます。
「シャッタースピード優先(S)モード」の使い方
「シャッタースピード優先(S)モード」の使い方を解説します。
まずシャッタースピード優先(S)モードを使うために、シャッタースピードのしくみを覚えましょう。
- シャッタースピードが速くなると、ブレにくくなる
- シャッタースピードが遅くなると、ブレやすくなる
使い方としてはカメラを「シャッタースピード優先(S)モード」に設定後、被写体に合わせてダイアルやボタンの操作でシャッタースピードを調節しましょう。明るさが足りないときには、ISO感度や露出補正機能で明るさを調節します。
撮影シーンや被写体 | ISO感度 |
スポーツ中や走っているときの撮影 | SS 1/2000以上 |
子どもやペットが被写体の時や水しぶきを撮りたいとき、明るい屋外での撮影 | SS 1/500以上 |
被写体が止まっていたり、暗い屋内での撮影 | SS 1/100以上 |
星空や花火、川や滝で水の流れを撮影したいとき | SS1秒以下 |
▼具体的な撮影シーンごとの記事はこちら
すべて自分で設定したい人は「マニュアル(M)モード」
ある程度絞り値やシャッタースピードなどを理解できた方や、いちから設定して自分好みの写真が撮りたい方は、思い切ってマニュアル(M)モードに挑戦してみませんか?カメラ本体では「Mモード」と表記されます。
「マニュアル(M)モード」って?
マニュアル(M)モードとは、絞り値やシャッタースピードなど、カメラの設定を撮影者自身が自由に設定できる撮影モードです。マニュアル(M)モードを使いこなすことで、それぞれのシーンに合わせて自分好みの写真が取れるようになりますよ。
「マニュアル(M)モード」の使い方
マニュアル(M)モードの使い方について解説します。
- カメラをマニュアル(M)モードに設定後、周りの明るさに合わせてISO感度を調整
- 撮りたいイメージに合わせてF値を調整
- 被写体に合わせてシャッタースピードを調節
- もし明るさが足りない場合はISO感度を上げて調整
ちなみに、マニュアル(M)モードを使うときには、撮影したい写真のイメージを持つことがとても大切!なぜなら、F値やシャッタースピードをイメージに合わせて調節する必要があるからです。
▼さらに詳しい記事はこちら
撮影モードを使いこなして思い通りの写真を撮ろう!
まずは、それぞれの撮影モードの特徴を覚えてみましょう。カメラにある撮影モードは、撮影シーンや撮りたい写真に合わせて使い分けることで撮影する写真の幅がグッと広がりますよ。
慣れるまではひとつの撮影モードを使ってみる、というようにひとつずつゆっくり挑戦してみてもよいでしょう。ぜひチャレンジしてみてくださいね。