カメラを購入し、ある程度使いこなしていくと「マニュアルモード」に挑戦してみたい!と感じる方も多いのではないでしょうか?しかし、いざマニュアルモードに挑戦してみると、設定項目の多さにつまずいてしまう方もいるかもしれません。
この記事では、カメラ初心者の方でもわかりやすく、マニュアルモードの使い方について解説します。マニュアルモードの使い方だけでなく、マニュアル撮影を使うメリットや使いこなす秘訣もあわせて紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
[講師]フリーカメラマン honami
マニュアル撮影のメリット・デメリット
マニュアル撮影とは、F値やシャッタースピードなど、すべての項目を撮影者自身が自由に設定できる撮影モード。ここでは、そんなマニュアル撮影を使うメリットとデメリットを紹介します。
マニュアル撮影を使うメリットとは?
マニュアル撮影を使うことで、シーンや好みに合わせて自由に露出(明るさ)が設定できます。
例えば、露出を明るめに設定してふんわりとした雰囲気にしたり、逆に暗めに設定してアンダーな雰囲気にしたり、あえてF値を絞ってシャープな雰囲気に仕上げたり、と表現の幅が広がります。
また、マニュアル撮影を使いはじめたばかりは戸惑うものの、ある程度慣れていくとサッと設定が変えられるため、シャッターチャンスを逃しにくい、というメリットもあります。
初心者にとってマニュアル撮影のデメリットとは?
自分ですべて設定するので、オートで撮影するよりもミスショットは増えてしまいます。
そのため、ある程度マニュアル撮影に慣れるまでは、失敗したくないシーンではオートでの撮影と併用すると安心です。
初心者でもできるマニュアル撮影の設定方法
ここからは初心者の方でも使いこなせる、マニュアル撮影の設定方法について解説します。
撮影シーンの明るさに合わせてISO感度を設定する
まずは撮影場所に合わせて、ISO感度を設定しましょう。最初の設定では、おおよその設定でOK!このあと設定するシャッタースピードとF値を調節したあとに、必要があれば微調整します。
晴れの日の屋外や日当たりのよい場所 | ISO100 |
くもりの日や日陰での撮影 | ISO200〜400 |
晴れた日の屋内での撮影 | ISO400〜1600 |
くもりや夜間の屋内での撮影 | ISO800〜3200 |
F値を設定する
ボケ感を演出するF値の設定は、撮りたい写真のイメージに合わせて設定しましょう。
背景をぼかしたり、ふんわりした写真や暗い場所で撮影したいとき | F1.4〜2.8 |
ほど良くボケ感のある写真やシャッターチャンスを優先して撮影したいとき | F4〜5.6 |
シャープな写真や背景までしっかり見せたい、風景写真の定番、集合写真 | F8〜11 |
SS(シャッタースピード)を設定する
被写体に合わせてシャッタースピードを設定します。
このとき、周囲の明るさやF値によって露出が低い場合もありますが、一般的な撮影ではSS1/100以下には下げないように注意しましょう。シャッタースピードのみで明るさを調節しようとすると、ぶれやすくなってしまいます。
子どもを撮影する場合は、SS1/250以下(小さな子どもやペットの撮影ではSS1/500以下)には下げないように設定してくださいね。
スポーツ中や走っているときの撮影 | SS1/2000以上 |
子どもやペットが被写体の時や水しぶきを撮りたいとき、明るい屋外での撮影 | SS 1/500以上 |
被写体が止まっていたり、暗い屋内での撮影 | SS 1/100以上 |
星空や花火、川や滝で水の流れを撮影したいとき | SS1秒以下 |
必要な場合は明るさに合わせてISO感度を調節する
ここまで設定して露出(明るさ)が足りない…と感じた場合はISO感度を上げて調節します。
ただし、ISO感度を上げすぎてしまうと画質が落ちてしまうので、できれば数値が低い方が望ましいですが、ISO3200程度なら問題なく撮影できます。
カメラ初心者がマニュアル撮影を使いこなすコツ
最後にカメラ初心者の方が、マニュアル撮影をうまく使いこなすコツを伝授します。
ISO感度は「手動」で設定する
カメラをマニュアル撮影のモードにしても、ISO感度が「オート」にままになっていることもあります。この場合は手動で設定するために、撮影前にISO感度のオートをオフに変更しておきましょう。
「露出インジケーター」を確認しながら設定する
どのカメラにも、画像の下の方に「露出インジケーター」という露出(明るさ)の数値を表すメーターがあります。メモリが+側にいけばいくほど明るく、-側にいくほど暗くなります。
メーターを確認しながら設定していくと、白飛びしたり暗く写ってしまったりなどといったミスショットを防げます。
撮影したい写真のイメージを持つ
先ほど解説した露出インジケーターは、必ずしも±0が適正とは限りません。
例えば、ふんわり明るめな写真が好みの場合は、±0よりも少し+側になるように調節した方がイメージに近い写真が撮れます。撮りたい写真のイメージというゴール地点ががあると、設定しやすくなりますね。
マニュアル操作に慣れてきたら自分の好みに合う露出はどれくらいなのか、イメージしながら撮影すると、より撮影の幅が広がってどんどん撮影が楽しくなってきますよ。
マニュアルモードを使いこなして自分らしさを表現しよう
はじめのうちは少し難しそうに感じますが、何度も繰り返し使っていくうちに自分自身で設定することにも慣れて、違和感なく楽しめることでしょう。
マニュアル操作に慣れて、自身の撮りたいイメージを表現することこそが写真のおもしろさとも言えるので、ぜひ少しずつでもマニュアル操作に挑戦してみてくださいね。