憧れの一眼レフカメラを購入したもの、いざ手に取ってみるといろいろなボタンや専門用語があって使い方がわからない…という方は少なくないのではないでしょうか?
この記事では、初めて一眼レフカメラを持った方に向けて、わかりやすく一眼レフカメラの基本的な使い方を解説します。
基本的な使い方に加え、一眼レフカメラを使いこなすために覚えておきたいF値やISO感度などの専門用語や、一眼レフカメラらしいボケ感のある写真の撮り方も併せて紹介します。ボケ感のある写真が撮れるようになることで、カメラが好きになり、毎日のお出かけに持ち歩きたくなりますよ。
[講師]フリーカメラマン honami
一眼レフカメラの持ち方
まずは基本となる一眼レフカメラの持ち方をマスターしましょう。
カメラを正しく持つことで、手ブレを防げますよ。
基本は足を肩幅程度にひらき、右手はシャッターボタン、左手はレンズを下から支えるように構えます。脇をしっかり閉めて、カメラを固定するように構えることがポイントです。
詳しくはこちらの記事で解説しておりますので、ぜひご覧くださいね。
一眼レフの撮影モード
一眼レフカメラにはいくつかの撮影モードがあります。
ここでは、一眼レフカメラを使いこなす基本とも言える、撮影モードについて解説します。ここで出てくる専門用語については、後ほど解説しますね。
カメラには5つの撮影モードがある
一眼レフカメラには、5つの撮影モードがあります。
- 「AUTO(オート)」モード
- 「P(プログラムオート)」モード
- 「A(絞り値優先)」モード(Canonは『Av』と表記)
- 「S(シャッタースピード優先)」モード(Canon、ペンタックスは『Tv』と表記)
- 「M(マニュアル)」モード
それぞれの撮影モードによって、絞り値やシャッタースピードなど、撮影者自身が設定できる項目が変わります。
初めのうちは、ボケ感のある写真を撮りたいときには「Aモード」、動きの早い被写体をブレずに撮りたいときには「Sモード」を使ってみましょう。ある程度、カメラ操作に慣れてきたらF値やシャッタースピードなどの項目を撮影者が自由に設定できる「Mモード」に挑戦してみてください。
F値やシャッタースピードって?基本的なカメラ用語
一眼レフカメラを操作していくと、聞き馴染みのない専門用語をたくさん目にするかと思います。ここでは、そんな基本的なカメラ用語について解説します。
基本的なカメラ用語を覚えよう!
今回は一眼レフカメラを使いこなしておく上で、ぜひ覚えていただきたいカメラ用語についてご紹介します。
設定に関するカメラ用語
まずはカメラの設定時に覚えておきたい、最も基本的な専門用語を解説します。
露出 | 写真の明るさ、カメラが取り込む光の量のことをいう。 |
F値(絞り値) | カメラのボケ感をコントロールする数値。カメラに取り込む光の量を数値化したものをいう。 |
シャッタースピード(SS) | シャッターを切る速度のこと。「SS」と表記されることもある。 |
ISO感度 | カメラが取り込んだ光の量を増やすことを数値化したものをいう。 |
ピント | レンズの焦点を合わせるポイントのことをいう。 |
AF(オートフォーカス)・MF(マニュアルフォーカス) | ピントの合わせ方の種類。AFは自動でピントを合わせるモードで、MFは撮影者自身がピントを合わせるモード。初心者はAFがおすすめ。 |
ホワイトバランス(WB) | 写真の色味を決める設定のこと。撮影環境の光の色味を補正して、白を白く写す機能のこと。基本は『オート』での設定でOK。 |
その他のカメラ用語
次に、カメラの設定以外で覚えておくと良い専門用語を解説します。
基本を覚えたら、ぜひこちらも覚えてみてくださいね。
焦点距離 | レンズの中心点からイメージセンサーまでの距離のこと。レンズを購入する際に覚えておくと便利。 |
広角・望遠(レンズ) | 画角の広く焦点距離が短いレンズを「広角レンズ」、画角が狭く焦点距離が長いレンズを「望遠レンズ」という。 |
画角 | 写真の写る広さのこと。 |
構図 | 被写体をバランス良く配置すること。三分割法構図や日の丸構図などがある。 |
被写界深度 | ピントが合っているように見える範囲のこと。 |
イメージセンサー | カメラの部品の名前。センサーサイズには「APS-C」、「フルサイズ」などがある。 |
適正露出 | 適切な明るさで撮影すること。 |
こちらの記事でも、各用語についての詳細やおすすめの設定方法を解説しておりますので、ぜひご覧くださいね。
ボケ感ってどう撮る? F値やISO感度の役割
ここからはいよいよ一眼レフカメラらしいボケ感のある写真の撮り方を説明します。
ボケ感のある写真が撮れるようになることで、カメラを使うことが楽しくなりますよ!
「F値」とは?
F値とは、ボケ感と明るさをコントロールする設定項目のことをいいます。
背景をボカした写真を撮りたいときにはこのF値を小さくすることがポイントですよ。
- F値の数値を小さくする・・・背景がボケる、明るい写真が撮れる
- F値の数値を大きくする・・・全体にピントが合う、アンダーな写真が撮れる
ちなみに、F値の数値を小さくするとレンズについた窓が開き、F値の数値を大きくするとレンズについた窓が閉じます。また、F値の数値を大きくし窓が小さくなることを「絞る」と表現することもあります。
ニュアンスが逆で覚えにくいので、はじめのうちはF値の数値をどうするとどんな写真が撮れるのか、マスターしておくと良いでしょう。
F値の使い方
F値は撮影したいイメージに合わせて設定します。撮りたい雰囲気やイメージを明確にした上で、被写体に合わせて設定するのがおすすめです。
背景をぼかしたり、ふんわりした写真や暗い場所で撮影したいとき | F1.4〜F2.8 |
ほど良くボケ感のある写真やシャッターチャンスを優先して撮影したいとき | F4〜F5.6 |
シャープな写真や背景までしっかり見せたい、風景写真の定番、集合写真の撮影 | F8〜F11 |
ただし、使用するレンズによって設定できる幅が変わるので、注意してくださいね。
「シャッタースピード」とは?
シャッタースピードとは、シャッターを切る速度のことをいい、「ブレ」と「明るさ」をコントロールする項目です。
カメラのモニターではシャッタースピードのことを「SS」と表記されます。
- シャッタースピードが速い・・・ブレにくいが、光を取り込む時間が短い
- シャッタースピードが遅い・・・ブレにくいが、光を取り込む時間が長い
シャッターを切る速度が速ければ速いほど手ブレを防ぎ、光を取り込む時間が短くなります。
シャッタースピードの使い方
基本的にシャッタースピードは、被写体に合わせて設定します。被写体別で適切なシャッタースピードはこちらになります。
スポーツ中や走っているときの撮影 | SS 1/2000以上 |
子どもやペットが被写体の時や水しぶきを撮りたいとき、明るい屋外での撮影 | SS 1/500以上 |
被写体が止まっていたり、暗い屋内での撮影 | SS 1/100以上 |
星空や花火、川や滝で水の流れを撮影したいとき | SS1秒以下 |
撮影環境やF値によってはこちらのシャッタースピードでは明るさが足りない場合があります。
そんなときには、この後説明するISO感度で明るさを調節してくださいね。
「ISO感度」とは?
ISO感度とは、カメラが取り込んだ光をどれくらい増やすか、数値化することをいいます。
ISO感度の数値が上がれば上がるほど、カメラが取り込んだ光を増やす数値が増え、明るい写真が撮れるようになります。
ISO感度の使い方
最初は撮影シーンに合わせて適切なISO感度に設定しておきます。撮影シーン別で適切なISO感度はこちらの表の通りになります。
晴れの日の屋外、日当たりの良い場所での撮影 | ISO100 |
曇りの日や日陰での撮影 | ISO200 |
晴れた日の屋内での撮影 | ISO400〜1600 |
曇りや夜間の屋内での撮影 | ISO800〜3200 |
星空の撮影 | ISO3200〜6400 |
その後、F値とシャッタースピードを設定した上で、明るさが足りないな…と感じたら、一段ずつ上げていきましょう。
カメラの構造上、ISO3200以上上げてしまうとカメラのスペックによってはノイズが出て画質が悪くなってしまうので、上げすぎに気をつけてくださいね。
基本の使い方をマスターしてカメラライフを楽しもう!
最初からF値・シャッタースピード・ISO感度、すべてをご自身で設定することは難しいでしょう。
はじめてカメラを手にする方でも、少しずつ一つひとつの項目を理解した上でカメラでの撮影を続けていくと、難しいと思っていた一眼レフカメラも使いこなせるようになります!
基本の使い方をマスターすると撮りたい写真が思い通りに撮れるようになるので、カメラでの撮影がもっと楽しくなりますよ。ぜひ参考にしてみてくださいね。