昨日できなかったことが、今日にはできるようになっている。そんな成長が著しい赤ちゃんの姿を、「しっかり写真におさめたい!」と考えてカメラをはじめる方も多いのではないでしょうか。だけど、ママとしての一日は忙しく、写真撮影に時間をさくのは思う以上に難しいもの。せっかく買ったカメラがなかなか使えないという方も多いと思います。
そこで今回は、カメラ初心者でも撮りやすい、赤ちゃん撮影におすすめのシーンをご紹介します。無理せず楽しく、かわいい赤ちゃんの表情を写真に残しましょう!
[講師]フォトグラファー aimi
【カメラ初心者向け】生まれたばかりの赤ちゃん撮影におすすめのシーン
まずは、生まれたばかりの赤ちゃん撮影におすすめのシーンをご紹介します。この時期の撮影は、赤ちゃんの動きがまだ少ないためカメラ初心者の方にとって絶好の練習期間でもあります。かわいい赤ちゃんの姿をいっぱい残しつつ、撮影にも慣れていきましょう。
基本の寝顔撮影
生まれたばかりの赤ちゃんは、一日の多くを寝て過ごします。起きているときの表情を残したい、と感じるかもしれませんが、まずは無理せず寝顔の撮影からはじめてみましょう。今は見慣れて感じる赤ちゃんの寝顔も、この時期だけの貴重な表情です。
撮影に入りやすくするためのポイントは、カメラの設定を前もって行うことです。この時期は屋内の撮影がメインなので、ISO感度は高めに(800以上を目安に)。手ブレしないようにシャッタースピードは速め(1/60より速く)がおすすめです。また撮影中は、カメラの落下を防ぐためにストラップを首にかけると安心です。
いろんな角度で赤ちゃんを撮影してみる
動きの少ない生まれたばかりの赤ちゃん。しかし、いろいろな角度から撮影することで写真に変化をつけることができます。
また、同じ角度からの撮影でも、レンズの焦点距離を変えることで写真のイメージを変えられます。柔らかな雰囲気を演出したいときは、望遠レンズでぼかしをつけて。元気な雰囲気を演出したいときは、広角レンズで赤ちゃんに近づいて撮るなどいろいろ試してみましょう。切り替えを簡単にするために、ズームレンズを用意しておくことをおすすめします。
赤ちゃんのさまざまなパーツを撮影する
かわいい赤ちゃんの表情がいっぱい撮れたら、次はパーツごとの撮影も行いましょう。まだふにゃふにゃの小さな手や、ふわふわの髪の毛、つぶらな瞳など、ひとつひとつをアップで撮影します。できるだけ明るいレンズ(F値の小さいレンズ)を使用することで、やわらかい雰囲気のぼかしを入れることができますよ。
また、明るいレンズがない場合は、できるだけ望遠にして撮影してみましょう。撮影したい部分にしっかりピントを合わせることでそれ以外の部分にぼかしを入れることができます。
【カメラ初心者向け】生後数か月の赤ちゃん撮影におすすめのシーン
生後数か月がたつと、赤ちゃんはさまざまな表情を見せてくれるようになります。しかし、撮影したい表情が増える反面、ママとしても忙しくなる時期でもありますよね。
そこで、カメラ初心者の方でも無理なくさまざまな表情を撮影できるよう、おさえておきたいポイントをご紹介します。
赤ちゃんの豊かな表情を撮影
まずは、赤ちゃんの自然な表情を撮影しましょう。寝顔はもちろん、じっとカメラを見つめる表情、笑顔などさまざまな表情が撮影できますよ。
また、笑顔の写真はもちろんですが、ぜひ泣き顔の写真も撮っておきましょう。いつかお子さまが大きくなったとき、一緒にほほえましく振り返ることができますよ。
赤ちゃんの笑顔を引き出す撮影方法
声や音に反応して、かわいい笑顔を見せてくれるのもこの時期ならではの特徴です。カメラの設定が終わったら、赤ちゃんと目を合わせて声がけをしながら撮影しましょう。
また、カメラのレンズのすぐ上に音の出るおもちゃを持ってくると、自然にカメラ目線の写真を撮ることができます。難しい場合は家族にアシスタントをお願いするのもおすすめです。
小物を入れてさらに愛らしく
撮影に慣れてきたら、赤ちゃんのすぐ横にぬいぐるみを置いたり、お気に入りのおもちゃとともに撮影してみましょう。また、毎月同じぬいぐるみを横において撮影するのもおすすめです。赤ちゃんが徐々に成長していく様子がわかりやすく、かわいい写真になりますよ。
【カメラ初心者向け】ハーフバースデー撮影
個人差はありますが、生後半年ごろの赤ちゃんは、寝返りができるようになったり離乳食がはじまったりします。撮影できるシチュエーションが一気に増えるのが、この時期の特徴です。ハーフバースデーのお祝いとともに、今までとは違った立体感のある撮影にチャレンジしてみましょう!
ハーフバースデーって何?
生まれてから半年の赤ちゃんのお祝いを、「ハーフバースデー」と呼びます。お宮参りやお食い初めのように、昔からあるしきたりではありませんが、最近ではひとつの節目としてお祝いをする方が増えています。家族がそろった記念撮影や、いつもとは少し雰囲気を変えた撮影を考えている方もいるのではないでしょうか。
生後半年ごろ赤ちゃんは、動きが出てくる時期なので、さまざまな表情が撮れるようになります。しかし、そのぶん撮影が大変になってくる時期でもあります。無理のないよう、赤ちゃんが機嫌のいいタイミングで撮影をしてみてください。
撮影用の小道具を準備しよう
撮影の際、ちょっとした小道具を入れるだけで一気に記念撮影らしくなります。おすすめは、ガーランドやバルーン。お祝いの雰囲気が増しますよ。また、いつもより少しおめかしをするだけでも、特別感のあるかわいい写真が撮れます。
赤ちゃんは寝転がったまま、まわりに小道具を並べると、平面的でポップな雰囲気の写真に。赤ちゃんをイスに座らせて小道具を前後に並べると、立体的でやわらかい雰囲気の写真になります。
主役は赤ちゃん!いい表情を引き出そう
準備がととのったら、さっそく撮影をしていきましょう。ポイントは、赤ちゃんがカメラに興味をもつよう、うまく誘導すること。丸いレンズに興味を持ってくれれば、無理なくカメラ目線の写真が撮れます。赤ちゃんの目の前におもちゃを差し出し、そのおもちゃを徐々にカメラのレンズ付近に持っていき、視線をレンズに誘導しましょう。
また、小道具の用意がうまくいかなかったり、キレイに写真におさまらなくても心配はいりません。あくまでも主役は赤ちゃんです。まずは、今しか見られないかわいい表情をしっかり撮影しましょう。撮影後にゆっくり加工するのもおすすめですよ。
【カメラ初心者向け】生後半年〜1歳の赤ちゃん撮影におすすめのシーン
生後半年から1歳にかけての赤ちゃんは、日々できることが増えていきます。昨日できなかったことが今日にはできるようになっている、目の離せない時期でもありますよね。カメラを使った撮影どころではない、そんな日も多いかもしれません。
この時期の撮影は、あまり意気込まず、できるタイミングで数枚写真におさめておく。というイメージでいるのがおすすめです。何気ない日常シーンでも、いつか見返すときには大切な思い出になっているものです。
「〇〇ができた記念」を写真におさめる
ひとり座りやつかまり立ち、ハイハイなど、記念の写真はぜひカメラにおさめておきましょう。おうちの中でできるようになることがほとんどだと思うので、事前に屋内でもキレイに撮れるようなカメラ設定にしておくことをおすすめします。
まずは、明るく撮影できるようにISO感度を高めにしておきます。シャッタースピードが1/60より遅くなってしまわないような設定にすると、手ブレのない写真を撮ることができます。シャッタースピード優先モード(Sモード)にして、シャッタースピードを1/60または1/125に設定した撮影からはじめると安心です。
ただし、シャッタースピードを早めると自動的に絞りが開く(F値が小さくなる)ため、ピントが合う距離の幅が狭くなります。ピンボケに注意しましょう。ピント合わせに不安がある場合は、まずはPモードで撮影しておきましょう。
赤ちゃん目線で躍動感のある写真を撮る
カメラを構える高さによって、写真のイメージは大きく変わります。誰の目線で撮るかを意識してみましょう。大人の目線(カメラマンが立ったまま)で撮ると、赤ちゃんの頭が大きくうつり、かわいらしい写真に。赤ちゃん目線(カメラマンがしゃがむ)で撮影すると、赤ちゃんの世界をのぞいているかのような躍動感のある写真になります。ぜひさまざまな高さで試してみてください。
赤ちゃんを屋外で撮影してみよう
天気のいい日には、屋外撮影もためしてみましょう。屋外撮影のポイントは、光の向きです。赤ちゃんに対して斜めの光が当たると、バランスのよい陰影がつき、表情のわかりやすい写真になります。また、やわらかい光を背中側から入れる(逆光)と、幻想的な雰囲気の写真になります。
カメラの設定は、ISO感度を200程度に落として、絞り優先モード(Aモード)がおすすめです。絞りを開ける(F値を小さくする)と、ぼかしの入った雰囲気のある写真に、絞りを絞る(F値を大きくする)と、ぱきっとしたピンボケになりにくい写真になります。いろいろ試してみましょう。
カメラ初心者でも大丈夫!赤ちゃんのさまざまな思い出を写真に残そう
カメラ初心者の方にとって、赤ちゃんの撮影はとても楽しみなものですよね。だけど、実際に赤ちゃんとの生活がはじまると、日々の忙しさになかなか撮影の時間がとれないものです。無理をせず、カメラが目に留まったときに手に取ってみる、それでもじゅうぶんだと思います。そんなラフさが、赤ちゃんの自然な表情も引き出してくれますよ。
ぜひゆるく、楽しく、いろいろな撮影方法を赤ちゃんとともに試してみてくださいね。