写真の色味を整える『ホワイトバランス』基礎知識から使い方まで解説!

写真の色味を整える『ホワイトバランス』基礎知識から使い方まで解説!カメラ初心者

「夕焼け雲の写真を撮影したけど、白っぽくなっちゃった…」
「パーティーの写真を撮ったら妙に赤くなって不自然…」

写真を撮影する中で、こういった悩みを抱える人もいるでしょう。色味についての悩みは『ホワイトバランス』の知識をつければ解決することができます。ホワイトバランスを知ることであなたの写真はワンランクアップし、思う通りの写真を撮影ができるように!朝焼けや夕焼け、パーティーの撮影や結婚式。さまざまな場面でホワイトバランスを駆使して思い通りの「色」を演出しましょう。

[講師]webライター ぎんちゃん

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ホワイトバランスとは?

ホワイトバランスとは?

「ホワイトバランス」とは何者なのでしょうか。
一言でいうと、ホワイトバランスとは「光源となる色をカメラに教えてあげる」ことです。

私たち人間の目は実は凄く高性能で、同じものを赤い光で照らしても青い光で照らしても正しい色に補正して、物の色を正確に認識することができます。
一方でカメラは自動で色を補正する機能はなく、赤い光で照らされれば赤っぽく青い光で照らされれば青っぽく、物を撮影してしまいます。

このため、目で見た映像と、カメラで撮影した写真とで「色が違う」現象が生まれます。
目とカメラの差異を埋めるために「ホワイトバランス」機能を使うのです。

ホワイトバランスを使えるようになるメリット

ホワイトバランスを使えるようになるメリット

ホワイトバランスを自由に使えるようになると、どんなメリットがあるのでしょうか。
実感しやすいメリットとして

見たままの色を再現できる
ガラッと雰囲気を変えることもできる

の2つをあげます。
写真を撮影する中で、思うような色が出なくて困っている人への特効薬になるので、積極的に使って行きましょう。

見たままの色を再現できる

見たままの色を再現できる

ホワイトバランスを習得すると、目で見たままの色を写真として再現することができます

キレイだと思う風景を撮影したとき、「これじゃない」「もっと赤く(青く)」と思う場面に出くわすことがあるでしょう。明るさを増やしたり減らしたりしても、色が変わることはありません。ホワイトバランスを変更することで対処できます。

例えば、朝焼け・夕焼けの色は太陽周辺の赤色と、地平線まわりの青色が複雑に混じり合っているので、カメラからすると「どの色を基調にしたらいいの?」と迷う状況です。
カメラ自身で「色」を判断するのは困難で、私たち人の介入が必要になります。

もっと赤く、もっと青く。あなたの再現したい色味を、ホワイトバランス機能を使ってカメラに指示してあげることで、思いどおりの色を再現することができます。

雰囲気を変えられる

雰囲気を変えられる

ホワイトバランスを習得すれば、今まで撮影してきた作風からガラッと雰囲気を変えることもできます

色味が変わると、写真の持つ雰囲気は全く異なるものになります。
ホワイトバランスは設定次第で色味を強めたり弱めたり、青くしたり赤くしたりという操作を簡単に行うことが可能です。
「目で見ている風景も綺麗だけど、青みが追加されると山の神秘的な雰囲気が増すんじゃないか?」という発想を写真に映し出すことができます。

もっと暖かみのある写真にしたい。もっと寒々しさを表現したい。ホワイトバランスは写真の雰囲気を変え、自由に表現する幅を広げてくれるのです。

ホワイトバランスの基礎知識

ホワイトバランスの基礎知識

ホワイトバランスを使いこなすことで、色味をコントロールできるメリットを認識しました。次は、原理を知ることでより適切にホワイトバランスを使えるようになりましょう。

知っておくべきことは、「光に色があること」と「色を調整するためにカメラでフィルターをかけること」です。

光には「色」がある

光には「色」がある

普段意識することはありませんが、実は光には「色」があります。色の名前は「色温度」といい、カメラ業界だけでなく、建築業やIT関係のお仕事でも登場します。

もともとは熱力学に関連するキーワードですが、難しい話は置いておきましょう。ホワイトバランスを操るうえで、色温度はK(ケルビン)で表されます。光源(自ら光を発するモノ)が持つ色味を数値化したものです。

例えば、ろうそくの光のように赤々とした光は2,000K、暖かな光を放つ白熱電球は3,200K、日陰の柔らかな光は7,000Kといった風です。大まかに、2,000~4,000Kは赤めの光で数値が小さくなるほど赤みを増す。5,000Kは赤と青の中間色で白色を表す。6,000~8,000Kは青めの光で数値が大きくなるほど青みを増す。このように覚えておきましょう。

光源にフィルターをかける

光源にフィルターをかける

先述した「色温度」を持つ光を受けたものは、カメラの目線では赤く(または青く)写ってしまいます。色温度による着色を防ぐために、逆の色のフィルターをかけて白(自然な色)に戻そうとします。だから「ホワイト」バランスと呼ばれるのかもしれません。

例えば、ろうそくの光(約2,000K)を浴びたショートケーキはカメラにとっては赤く見えます。赤いショートケーキは不自然です。だから青いフィルターをかけて、白色(人の目から見た正しい色)に戻すんです。

赤みのあるショートケーキで暖かみを出したいとき、青みがかった橋で無機質感を出したいときなど、意図的にホワイトバランスで人の目から見た正しい色と異なる色を表現したいときもあります。同じ被写体を複数のホワイトバランスで撮影して、変化を楽しんでみるのもおもしろいですね。

ホワイトバランスの使い方

ホワイトバランスの使い方

ホワイトバランスの基礎知識を得たところで、実際の使い方をみてみましょう。実際にカメラでホワイトバランスの設定画面を表示すると、「デフォルト設定」と「マニュアル設定」に分かれています。普段使いには「デフォルト設定」でも事足りますが、細かな調整をしたくなったら「マニュアル設定」にもチャレンジしてみましょう。

最初は初期設定で問題なし

最初は初期設定で問題なし

現行のカメラには、複数のホワイトバランスの初期設定があります。「AWB(オートホワイトバランス)」は、カメラが自動でホワイトバランスを設定してくれるものです。これを選択しておけば、大体の被写体は人の目で見た色味で写ってくれます。

一方で、朝焼けや夕焼けなど、複数の色味の光源がある場合は、意図した色を出してくれない場合もあります。このような場合は、ホワイトバランスを意図的に選択するようにしましょう。例えば、太陽光、くもり空、白熱電球などといったホワイトバランスが用意されています。それぞれ目安となる色温度、K(ケルビン)が設定されているので、自分の作風に合うホワイトバランスを探しましょう。

不満を感じたらマニュアル

不満を感じたらマニュアル

初期設定のホワイトバランスに不満を感じたら、マニュアル設定を試してみましょう。初期設定の「太陽光」でも「日陰」でも、ちょうどいい赤みが得られず困る場合などです。
「MWB」マニュアルホワイトバランスを選択すれば、メーカーや機種にもよりますが、100K単位ほどで色温度を指定することができます。自分のよく撮影する場所に合わせたホワイトバランスを設定しておくことで、思う通りの色を出せる可能性が高くなるでしょう。

保存形式をRAWモードにする手も

保存形式をRAWモードにする手も

写真の保存形式は一般的にはJPEG形式ですが、RAW形式で保存することで、撮影後自宅のパソコンでホワイトバランスを調整することができます。
RAWは日本語に直すと「生」を意味しており、写真が撮影されてから各種補正を行う前の状態を指します。各種補正を施して、一般的に綺麗な状態、かつデータ容量を落とした状態がJPEG形式です。

RAWモードはホワイトバランス以外にも動かせるパラメーターがあるので、数枚撮影して試しに動かしてみるとよいでしょう。注意点は、補正できるように調整幅が確保されており、写真1枚で20MB超とデータ容量が大きくなってしまう点です。また、エントリー機にはRAW撮影が対応していない場合もあります。

自宅のパソコンで複数のホワイトバランスや、マニュアルのホワイトバランスフィルターを確認しながら色温度の調整ができるので、高いクオリティの作品づくりができますよ。

思い通りの写真を撮影する第一歩「ホワイトバランス」

思い通りの写真を撮影する第一歩「ホワイトバランス」

はじめて「ホワイトバランス」と聞くと、難しい操作を要求されるのではと身構えてしまいますよね。でも、どんな機能でどんな原理なのかを知ると難しいものではありません。カメラが認識できない光の色「色温度」を、人の目に合わせてカメラに教えてあげるだけです。

使いこなせると、写真の出来栄えが明らかに変わります。マニュアルでホワイトバランスを調整するのは少し大変ですが、初期設定でカメラに入っているホワイトバランスを使うなら気軽に使えます。複数の色温度を試してみて、あなたに合うホワイトバランスの設定を探してみてくださいね。

この記事を書いた人
webライター ぎんちゃん
  1. webライター ぎんちゃん

住宅・IT・趣味を中心に多様なジャンルのライティングを行う。 妻・子2人・ハムスター、5人で地方小都市に建てた無垢の木の家に住む。 旅行・登山・カメラ・バイク・ガーデニング・キャンプなど多数の趣味に囲まれながら今日も仕事をする。