公園や街の花壇などでふと目にする、色とりどりの花。いざ写真を撮ろうとすると、色鮮やかさに欠けてしまい、きれいに撮れなかったという経験はありませんか?四季折々の季節の花はしっかりとポイントを押さえて、美しく写真として残しましょう。
この記事では、スマホで花の写真を撮るコツを紹介します。おすすめのスマホ設定から構図までさまざまなコツを紹介するので、SNS映えする花の写真が撮りたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
[講師]ライター ワタナベサツキ
花の写真の撮り方|おすすめのスマホ設定
まずは、花の写真を撮るときにおすすめのスマホ設定を紹介します。SNS映えする花の写真を撮るために、まずは設定から見直しましょう。
ポートレートモード
ポートレートモードとは、被写体の後ろにある背景をぼやけさせた写真を撮る機能のこと。花をポートレートモードで撮影すると、被写体である花をより立体的に目立たせた写真を撮ることができます。
ピントを合わせる場所は、どんな花を撮るのかによって異なります。例えば、一輪の花や花瓶に入った花を撮るときは、その花にピントを合わせましょう。このとき、あえて大きめに余白をつくるように撮影すると、雰囲気のある写真になるのでおすすめです。広大な花畑を撮るときは、近くの花にピントを合わせて奥をぼかすようにして撮影してみましょう。そうすることで、奥行きのあるおしゃれな花の写真が撮れます。
ポートレートモードは、花の写真を撮っているはずなのに花が目立たなくなってしまうようなときや、おしゃれな雰囲気のある写真を撮りたいときにおすすめの機能。現在発売されているスマホの多くに搭載されている機能なので、花を撮るときにぜひ使ってみてください。
ポートレートモードの詳しい活用方法は、こちらの記事を参考にしてみてください。
HDR機能
HDR機能とは「High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)」の略で、明暗の差が大きい被写体を美しく撮影できる機能のこと。露出の異なる複数の写真を自動で撮影し、1枚に合成してくれるという機能です。現在発売されている多くのスマホに搭載されている機能ですが、聞いたことがないという方も多いのではないでしょうか?
HDR機能は、逆光で撮影したいときや暗所で撮影したいときに便利。特に、風景写真を撮影するときに便利な機能とされています。
花の撮影にも、HDR機能はおすすめ。例えば、森や林など暗いところで撮影したいときは、この機能を使いましょう。森や林は、光が射しこむ日向と影になっているところの明暗差が激しい場所。したがって、上手な光の加減に調節するのが難しい場所だといえます。このような場所でHDR機能を使うと、明るさの差がない美しい写真を撮ることが可能です。明暗差の激しい場所で花の写真を撮るときは、スマホのHDR機能をONにすることを忘れないようにしましょう。
グリッド線
グリッド線とは、カメラを使用するときにスマホの画面を分割するガイド線のこと。写真の構図を決めたり、写真の傾きを修正したりするときに活用する機能で、花を撮影するときにも便利な機能です。
花を撮影するにあたって、構図はとても大事な要素のひとつ。あえて余白を大きくしたり、中央に花を写したり、アップで花を写したり、構図によってさまざま印象の写真になります。このような、構図を決めるときの分かりやすい目印として、グリッド線は活躍します。グリッド線を活用すると、構図のきれいな写真を撮りやすくなるので、積極的に使ってみましょう。
グリッド線の使い方は、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
【番外編】マクロレンズ
最後にスマホの設定ではないのですが、おすすめアイテムとしてマクロレンズを紹介します。マクロレンズとは、小さな被写体を大きく写せるレンズのことで、植物の質感や表面の凹凸、植物についた水滴までをきれいに写し出せるアイテム。
スマホに標準装備されているレンズは、あまり近づきすぎるとピントが合わないようになっています。そのため、植物の質感までは写し出せません。そこでマクロレンズを使うと、植物の細かいディテールまで鮮明に写し出すことが可能です。
スマホカメラでマクロ撮影をしたいときは、スマホ用アクセサリーとして発売されている、外付けのマクロレンズを使います。外付けレンズとは、スマホのカメラ部分に挟むようにして取り付けられるレンズのこと。最近では、100円ショップでも手軽に購入できるようになっている便利なアイテムです。花の写真をアップで撮りたいときは、外付けのマクロレンズを使って撮影してみましょう。
花の写真の撮り方|天気によって変わる花の表情とは
散歩や旅行先など、花の写真は屋外で撮ることも多いと思います。せっかく写真を撮影しようと意気込んでも、曇りや雨だとがっかりしてしまうこともあるのではないでしょうか?しかし、花は天気によって表情が異なるので、曇りでも雨でも絶好の写真日和なのです。ここでは、天気によってどんな花の写真が撮れるのか、晴れ・曇り・雨に分けて紹介します。
晴れ
晴れの日は、自然光を利用した写真が撮れます。自然光を利用すると、やさしい明るさのおしゃれな花の写真が撮れるので、晴れの日はライティング機材を使用しなくてOK。色のくっきりした花や、明るいイメージの花を撮影するときは、晴れの日の撮影がおすすめです。
おすすめの花:サクラ・チューリップなど
曇り
曇りの日は、どうしても撮影した写真の陰影が弱くなってしまいます。これが「曇りの日は写真を撮るのが難しい」といわれてしまう理由のひとつですが、花を撮影するときは、これを逆手に取りましょう。曇りの日に花を撮影すると、ふんわりとした儚げな印象の写真になります。以下のような、儚げなイメージを持つ花を撮影するときは、曇りの日の撮影がおすすめです。
おすすめの花:コスモス・スイセン・スズランなど
雨
雨の日は、実は絶好の撮影日和。雨の日ならではの、水滴の付いた花の写真を撮影できます。また、水が与えられた状態の生き生きとした植物の表情が撮れるのも雨の日ならでは。雨の日こそ外に出て、花の写真を撮りに行きましょう。
水滴の付いた花の写真を撮るときは、先ほど紹介した「マクロレンズ」を使い、水滴にピントを合わせて撮ると、花とキラキラした水滴がうまく撮れます。雨の日に花の写真を撮るときは、以下のような水滴をいかした撮影ができる花がおすすめです。
おすすめの花:アジサイ・ふき(葉の大きな植物)など
花の写真の撮り方|光を上手に使おう
花の写真を撮るときは、光の使い方がポイント。ここでは、花を撮影するときの光の上手な使い方を解説します。光の上手な使い方をマスターして、SNS映えする花の写真を撮れるようになりましょう。
自然光を使う
花の写真は、自然光を使うときれいに撮れます。プロのカメラマンは、ライティング機材を使用することが多いのですが、素人がライティング機材を使用すると、不自然な光になってしまうのでおすすめできません。花は自然の植物なので、ライティング機材を使用せずに、なるべく自然に近い形で自然光を利用して撮影しましょう。
太陽は時間によって変化するもの。例えば、正午近くの太陽は高い位置にあり、影は真下に出ます。この時間帯は、高い位置から強い日差しが差し込むので、日向と日陰のコントラストが強くなります。チューリップなどの色のくっきりした花を撮影するときはきれいに撮れるのですが、サクラなどの繊細な花を撮るのには向いてません。
サクラなどの繊細な花を撮りたいときは、朝や夕方くらいの光が強すぎない時間帯がおすすめです。自然光を味方につけ、ワンランク上のきれいな花の写真を撮れるようになりましょう。
あえて逆光で撮る
花びらの色味が白っぽいものや、花びらが薄いものを撮影するときは、あえて逆光で撮影するのもひとつのテクニック。逆光で撮影すると、花びらの輪郭がくっきりした写真が撮れます。例えば、桜は色味が白っぽく、花びらが薄いですよね。このような花を順光で撮ると、花びらの輪郭がぼやけてしまうことがあります。このようなときに、あえて逆光で撮影すると、花びらが強調されたきれいな写真を撮ることが可能です。
逆光で撮影するときは、そのままの設定で撮影すると、どうしても被写体が暗い写真になってしまいます。逆光で撮影するときは、この後紹介する露出を変えることも併せて行うようにしましょう。
露出を変える
自然光を使ったり、あえて逆光で撮影したりするときは、なかなか自分の思っている明るさにならないこともあるでしょう。このようなときは、露出を変えると好きな明るさになります。
スマホカメラは、ピントを合わせたいとき、カメラを起動して被写体をタップするだけで自動でピントが合うようになっています。露出を変えたいときは、ピントを合わせたら、となりに出てくる太陽のマークを上下にスワイプするだけ。これだけで露出を変えられるので、写真を撮るときに好みの明るさにならなかったら、露出を変えるようにしましょう。
花の写真の撮り方|構図を決めよう
花を撮影するにあたって、構図はとても大事な要素のひとつ。ここでは、構図の決め方を紹介します。
背景をすっきりさせる
構図を決めるときは、背景にも気を付けましょう。花の写真を撮るとき、もちろん主役は花ですよね。主役である花を目立たせるために、なるべく背景はすっきりさせておきましょう。
背景がどうしてもごちゃごちゃしてしまうときは、ポートレートモードを活用して背景をぼけさせるのもひとつの手。ですが、ポートレートモードで撮影するときにも、不要なものが写り込んでしまっていないか確認するようにしましょう。背景をすっきりさせるだけで、SNS映えも狙えますよ。
花と同じ高さになる
花の写真を撮るときは、なるべく花と同じ高さにカメラを構えるようにしましょう。花と同じ高さになることで、小さい花や背の低い花でも、迫力のある写真が撮れます。写真で花を撮ると、迫力や臨場感、肉眼で見ているときのような美しさを写すのが難しいと感じませんか?それは、花を俯瞰で撮ってしまうから。
花の美しさを写真で伝えたいと思ったら、花と同じ高さになるのが上手に撮るコツです。サクラやウメのように木に咲く花は、花と同じ高さになるのが難しい場合もありますが、基本的には同じ高さになったほうが良い写真を撮ることができます。
撮る位置を決める
同じ花でも撮る位置が違うだけで、印象が大きく異なります。先ほど紹介したように、基本的には花と同じ高さにカメラを構えた上で、どの方向から写真を撮るのかを決めましょう。基本的な位置は以下の通りです。
- 真上:上向きの花におすすめ
- 真下:木に咲く花におすすめ
- 真横:花畑のような、複数の花の撮影におすすめ
- 寄り:一輪の花を撮りたいときにおすすめ
- 引き:複数の花を撮りたいときにおすすめ
上記のように、花の種類によって最適な位置は変わります。どこから撮るか迷ったら、スマホの手軽に撮れる性質をいかして、いろいろな位置から試してみましょう。
子ども×花=最強
子ども×花は最強の組み合わせ。花畑の中に子どもがたたずむような構図や、小さな花と小さな子どもを対比させた構図がおすすめです。子ども×花を写真に収めると、子どもの表情もパッと明るくなります。
子どもの写真をよく撮るという方は、代り映えしない日常の写真に飽きていませんか?そんな方にも、子ども×花の写真は非日常感も演出できるおすすめな構図。かわいい子どもときれいな花とのコントラストが美しい写真は、SNS映えすること間違いありません。
花の写真はスマホで手軽に簡単に!
今回は、スマホで花の写真を撮るコツを紹介しました。花の写真は、スマホで手軽に簡単に撮影しましょう。
スマホできれいな花を撮影して、SNS映えも目指せると良いですね。