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カメラ初心者が最初にぶつかる壁としてあるあるなのが、レンズに関する悩み。種類がたくさんあるため選び方がわからなかったり、どのレンズが自分のカメラに合うのかわからなかったりして、「レンズって難しい‥」と思っていませんか?レンズは基本さえ知ってしまえば、自分にぴったりのものが選べるようになります。
この記事では、初心者にもわかりやすいレンズの基礎を紹介します。レンズについて悩んでいるカメラ初心者のみなさんは、ぜひ参考にしてみてください。
[講師]ライター ワタナベサツキ
カメラ初心者あるある|レンズの基本知識
まずはレンズの種類を知る前に、レンズの基本知識を押さえておきましょう。レンズの基本知識がわかると、そもそもレンズとはどんなものなのかがわかるようになります。
レンズの役割
一眼レフやミラーレスカメラは、レンズが交換できることが特徴。このレンズが交換できることが、スマホカメラなどのお手軽なカメラとの大きな違いです。レンズは画角やボケ味、解像度に大きな影響を及ぼす部品であるため、カメラ本体と同じくらい重要な部品。そのため、写真を撮影するにあたってレンズ選びも重要になってきます。
そもそもカメラは、空気とレンズの境界面で光が屈折し、写し出されたものが写真となる構造。この光の屈折を利用して光を集めたり、散らしたりするのがレンズの役割なのです。
レンズの名称
レンズは、「EF 85mm F1.8 USM」や「EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS STM」のように、アルファベットと数字を組み合わせた名称が付いています。このアルファベットと数字にはそれぞれ意味があり、レンズを選ぶ際に必要な情報になっています。カメラ初心者も知っておくと便利なので、名称の読み方を覚えておきましょう。
「EF 85mm F1.8」という並びの場合は、それぞれ以下のような意味があります。
- EF=マウントタイプ
- 85mm=焦点距離
- F1.8=開放絞り値
「EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS」という並びの場合は、それぞれ以下のような意味があります。
- EF-S=マウントタイプ
- 18-135mm=焦点距離
- F3.5-5.6=開放絞り値
- IS=手ブレ補正
基本的にカメラの名称は、マウントタイプ・焦点距離・開放絞り値・手ブレ補正機能の4つからなり、この4つの数値でどのレンズを購入するか決められるようになっています。では、それぞれどんな意味なのか、詳しく見ていきましょう。
マウントタイプとは
マウントタイプとは、カメラとレンズの接続部分のこと。各メーカーはもちろん、カメラの機種によっても異なります。マウントタイプが異なるとカメラにレンズを取り付けられません。レンズを選ぶときは、自分が持っているカメラはどのマウントタイプなのか確認しておきましょう。
焦点距離とは
焦点距離とは、レンズの中心と焦点との間の距離のこと。この数値の変化で、どれだけ広範囲を撮影できるか、遠くのものを大きく写せるかが決まります。
開放絞り値とは
開放絞り値とは、そのレンズで設定できるもっとも小さい絞り値のこと。この開放絞り値が小さくなるにつれ、明るいレンズになります。
手ブレ補正機能とは
手ブレ補正機能が付いている場合は、4番目に「IS」や「OOS」などの記載があります。このアルファベットはメーカーによって異なるので、気になる場合はチェックしておきましょう。
カメラ初心者あるある|レンズの種類
レンズの種類は、大きく「ズームレンズ」と「単焦点レンズ」の2種類に分けられます。まずは、この2種類の違いから押さえていきましょう。
ズームレンズ
ズームレンズとは、写る範囲を自由に動かせるレンズのこと。カメラレンズというと、ズームレンズをイメージする方が多いのではないでしょうか。ズームレンズは、ズームリングを回すだけで写る範囲を変えられるため、汎用性が高いレンズ。カメラ初心者が最初に1本購入するとしたら、ズームレンズがおすすめです。
※カメラの種類によって装着できるレンズは異なりますのでご注意ください。
単焦点レンズ
単焦点レンズとは、焦点距離が決められたレンズのこと。ズームレンズは写る範囲を自由に動かせるのに対し、単焦点レンズは写る範囲を自由に動かせないことが特徴です。したがって、広い範囲を撮影したいときは被写体から自分が離れる必要があり、寄りの写真を撮影したいときは被写体に近付いて撮影することになります。
このように見てみると、単焦点レンズは不便で使いにくいように思えますが、以下のように単焦点レンズにはズームレンズにはない魅力もたくさんあります。
- 画質がきれい
- 大きくボケた写真が撮れる
- 暗い場所で撮影しやすい
- 速い動きが撮りやすい
- レンズが小さく持ち運びに便利
- 比較的安い
単焦点レンズは画質がきれいで、スマホカメラでは撮影できないような本格的な写真が撮影できることが特徴。1本目はズームレンズを購入し、2本目のレンズとして単焦点レンズを選ぶ方が多いようです。
※カメラの種類によって装着できるレンズは異なりますのでご注意ください。
カメラ初心者あるある|初心者向けレンズの選び方
レンズの種類がわかったところで、実際にレンズを選んでみましょう。自分がどんな写真を撮影したいのかによって、選ぶレンズが異なります。レンズの選び方を知り、自分にぴったりのレンズが選べるようになりましょう。
ズームキットを購入する
まだカメラ本体を購入していない場合、初めてのカメラ(レンズ)はズームキットがおすすめです。ズームキットとは、カメラ本体とレンズ1つがセットになっているもののこと。レンズは、この後紹介する「標準レンズ」が付いています。
「とりあえずカメラをはじめてみたい!」という方は、まずズームレンズを購入してみると、レンズに悩むことなく写真撮影が楽しめるようになります。「標準レンズ」に加えて「望遠レンズ」がセットになっている、ダブルズームキットもあるので、予算に余裕がある場合はダブルズームキットを選んでみましょう。
レンズのタイプで選ぶ
レンズのタイプで選ぶというのは、先ほど紹介した「ズームレンズ」か「単焦点レンズ」かで選ぶということ。汎用性の高いレンズが良い場合はズームレンズ、プロのようなこだわりの写真を撮りたい場合は単焦点レンズというふうに、自分に合わせたレンズを選びましょう。
この後焦点距離で選ぶ方法を説明しますが、標準レンズの中に「ズームレンズ」と「単焦点レンズ」があったり、広角レンズの中に「ズームレンズ」と「単焦点レンズ」があったりもします。このような場合は、どちらを優先して選ぶか決めておくのがおすすめです。
焦点距離で選ぶ
焦点距離とは、レンズの中心と焦点との間の距離のこと。焦点距離の変化によって、どれだけ広範囲を撮影できるか、遠くのものを大きく写せるかが決まります。焦点距離で選ぶというのは、どの範囲をどのように写したいかで決めるということ。では、それぞれのレンズにどのような特徴があるのか見ていきましょう。
標準レンズ
標準レンズとは、画角が46度前後で焦点距離50mm前後のレンズのこと。1番人間の視覚に近いため、私たちが目で見た映像に最も近い写真を撮れるレンズです。どのレンズか悩んだり、初めてのレンズに選んだりする場合は、標準レンズを選ぶのがおすすめ。被写体とその周囲を、バランスよく撮影できます。家族とのお出かけやお散歩など、日常の写真におすすめのレンズです。
広角レンズ
広角レンズとは、焦点距離が短いため標準レンズよりも広い画角を写せるレンズのこと。焦点距離は、20mm・28mm・35mmなどがあります。広角レンズは広い画角を写せるので、遠近感を強調した写真が撮れることが特徴。また、ボケにくくピントが合う範囲が広いのも特徴です。広い範囲をきれいに撮影できるので、草原や海など、大きなものを撮影したいときにおすすめ。広角レンズを使うと、壮大な写真が撮れますよ。
望遠レンズ
望遠レンズとは、焦点距離が長いため遠くのものを近くに引き寄せて撮影できるレンズのこと。焦点距離は、100mm・200mm・400mmなどがあります。望遠レンズは焦点距離が長くなる分、画角が狭くなることが特徴。したがって、遠くにあるピンポイントの被写体をきれいに写し出せるということになります。例えば、見晴らしの良い場所で遠くの建物を写したり、運動会で遠くのわが子だけを写したりしたい場合におすすめ。カメラ初心者は、標準レンズと望遠レンズ2つ持ち、シーンによって付け替えると理想の写真が撮りやすくなるでしょう。
高倍率ズームレンズ
高倍率ズームレンズとは、焦点距離の幅が広いレンズのこと。焦点距離による広角や望遠の壁を壊し、1本でどちらにも対応できる万能レンズとして誕生したレンズです。万能である分、価格は高くなる傾向にありますが、1本持っておくと便利なレンズ。高倍率ズームレンズは、旅行などの少ない荷物で済ませたいけどさまざまな写真を撮りたいというときにおすすめです。
特殊レンズ
特殊レンズとは、マクロレンズや魚眼レンズのように目的に合わせて撮影を楽しめる、特殊なレンズのこと。マクロレンズは、小さな被写体を大きく写すことができます。こう聞くと望遠レンズと似ていますが、マクロレンズの特徴は最短撮影距離が短いこと。最短撮影距離が短いため、近くまで寄ってもピントが合うので、小さい被写体を大きく撮影できるのです。
魚眼レンズは、約180度もの広い範囲を撮影できるレンズのこと。超広角レンズ以上に広い範囲を写せるレンズです。レンズを変えながらさまざまな写真撮影を楽しみたい方は、特殊レンズを使用してみましょう。
カメラ初心者あるある|レンズのお手入れ方法
レンズを購入したら、お手入れは必須。定期的にお手入れしておくと、レンズをきれいに保てます。また、レンズが汚れていると写真に黒い点として写ってしまうことがあります。きれいな写真を撮影するためにも、レンズのお手入れはできるようになりましょう。
レンズフィルター
レンズフィルターとは、レンズ部分に取り付けるフィルターのこと。さまざまな種類のフィルターが発売されていますが、レンズの保護を目的としたフィルターのことを「保護フィルター」といいます。レンズフィルターは、レンズに傷が付くのを防いだり、水滴やホコリが直接付着しないように守ってくれるもの。価格もお手ごろなので、1つ持っておくと安心です。
レンズペン
レンズペンとは、ペンのような形状の革や柔らかいハケのようなもので、レンズ表面を拭くようにして汚れを除去するアイテムのこと。レンズペンを使うと。レンズに付着したほこりや汚れを、ササッと掃除できます。ポケットに入るくらいのサイズ感なので、カメラを持ち歩くときは1つ持っておくと便利です。
ブロワー
ブロワーとは、風を送り込むことでホコリやゴミを取り除くアイテムのこと。スポイトのような形状になっていて、膨らんでいる部分を握ることで風が発生する仕組みです。ノズルの大きさや風力は商品によって異なるので、使いやすいタイプのものを選びましょう。
ドライボックス
ドライボックスとは、内部を低湿度に保つための保管容器のこと。カメラの天敵は「湿気」。湿度の高い場所にカメラを放置すると、カメラやレンズにカビが生えてしまう可能性があります。カメラにとって安全な湿度を保つためにも、カメラの保管はドライボックスがおすすめです。
クリーニングキット
クリーニングキットとは、今まで紹介したようなカメラのクリーニングに必要なものがすべてまとまっているキットのこと。買いそろえるのが大変な場合や、どれを購入すれば良いのか迷ってしまう場合は、クリーニングキットがおすすめです。
レンズに詳しくなって、カメラ初心者を抜け出そう!
今回は、初心者にもわかりやすいレンズの基礎を紹介しました。レンズに詳しくなると、カメラ初心者を1歩抜け出せます。ぜひこの記事を参考に、自分にぴったりのレンズを選べるようになってくださいね。
レンズに詳しくなって、カメラ初心者を抜け出しましょう。