さまざまな場面で活躍してくれるカメラ。使えば使うほど愛着がわきますよね。そんな大切なカメラですが、実は保管方法によって使える期間が変わってしまうのです。
そこで今回は、カメラを長く使うための保管方法をご紹介します。楽しいカメラライフをさらに充実させるために、ぜひ今日から試してみてくださいね。
[講師]フォトグラファー aimi
一眼レフカメラって、特別な保管が必要なの?
一眼レフカメラを長く使うためには、適切な保管方法を知ることが重要です。とはいえ、必ずしも特別な手間や費用をかける必要はありません。
「何のために何を用意するのか」という、基本をおさえましょう。そうすることで、すでに家にあるものや安価なものでも、自分なりに工夫をしてカメラの保管に使用できますよ。
カメラにとっての天敵は「湿気」
カメラが最も嫌う天敵は「湿気」です。湿度の高い場所にカメラを放置すると、カメラやレンズにカビが生える場合があるためです。カビはどんどん増殖するため、放置していると写真にも写りこむようになってしまいます。また、カビが生える原因は湿気だけではありません。
カビが好む環境は以下のとおりです。
- 湿度60%以上
- 気温20度から30度
- 汚れのある場所
こういった環境を避けることで、カビの発生・増殖を防ぐことができます。まずは湿気を避けること。そして、高温になる場所を避け、汚れを放置しないことを意識しましょう。
カメラをきれいに保とう
カビを防ぐためには、カメラやレンズ自体をきれいに保つことも重要です。カビは、カメラに付着した皮脂などの汚れを元に発生するためです。
また、きれいに保つ意識をすることで、すぐにカビやほこりなどの汚れに気づき、早めの対処ができます。
カメラ本体・レンズのお手入れ
まずは、カメラやレンズ自体のお手入れ方法をご紹介します。カメラのお手入れは、毎回必ずしなければならないというわけではありません。ただ、日常的なルーティンにすることで、少しの異常にもすぐ対処できますし、カメラに愛着がわき撮影がさらに楽しくなります。
クリーニングキット
一眼レフカメラのお手入れに必要な道具は、「カメラ用クリーニングキット」を購入することで、ひと通りそろえることができます。カメラ購入時にセットでついてくる場合もあるので、すでに手元にある方も多いのではないでしょうか。
以下の4点がそろっていれば、日々のメンテナンスに困ることはありません。
ブロワー | 風でほこりや汚れを落とします。 |
ブラシ | ブロワーで落としきれない細かい部分に入り込んだ汚れをはらいます。 |
クリーニングペーパー | レンズや液晶部分の汚れを拭きます。 |
綿棒 | マウント部分(レンズとカメラの接地部分)や、細かい部分の汚れを拭きます。 |
また、この4点は撮影時にも携帯しておくと安心です。特にレンズを拭くためのクリーニングペーパーは使用頻度が高いので、携帯をおすすめします。
ブロワーの使い方
カメラのメンテナンスを行う際に、一番初めに手にとる道具が「ブロワー」です。まずは、ブロワーの風を使ってカメラやレンズの大まかな汚れを落とします。カメラ本体やレンズのフロント側、レンズの側面の隙間に風を当て、ほこりやちりを落としましょう。普段からブロワーを使っておくことで、汚れが細かい場所に入り込みにくくなります。
レンズのリア側(カメラ本体と接している面)は、毎回掃除をする必要はありません。レンズの交換を頻繁に行った日や、汚れが目視で確認できる時などに、ブロワーで汚れを落とす程度にしましょう。
ブラシの使い方
ブロワーで落としきれないほこりやちりの小さな汚れは、ブラシを使ってはらいます。レンズ側面の小さな隙間やレンズキャップ、ファインダーまわりは特に汚れが残りやすいので丁寧にはらいましょう。
ブラシを使う際は、汚れをカメラに押し付けないよう、かき出すイメージで使います。また、汚れをかき出した後はもう一度ブロワーを使って残った汚れをはらいましょう。
カメラの保管方法
続いてカメラの保管方法をご紹介します。長期間カメラを使わずに保管する場合には、バッテリーを外しておくことをおすすめします。また、カメラ本体とレンズも外しておくと保管しやすいです。その場合は、カメラ本体、レンズともに必ずキャップを装着しましょう。
プラスチックケースと乾燥剤
まずは、一番お手軽な保管方法をご紹介します。用意するものは、プラスチックケースと乾燥剤のみです。
プラスチックケースは、カメラ本体とレンズを収納できるサイズのものであれば、どういったものでも大丈夫です。ホームセンターや100均などで売っている、フタにゴムのついているタイプの密閉性のあるものを用意しましょう。
乾燥剤もどういったものでも使えますが、おすすめはカメラ保管用の乾燥剤です。種類により使用方法や使用期限が異なるので、「気づいたらケース内の湿度が上がってしまっていた」ということのないように、事前に確認しましょう。
簡易ドライボックス
市販のプラスチックケースでは湿度管理が心配。という方におすすめなのが、カメラ保管用の簡易ドライボックスです。カメラの保管に必要なものが全てセットになっています。
さまざまなタイプのドライボックスがありますが、中でもおすすめしたいのは湿度計が一体になっているタイプです。ボックスを開けなくても中の湿度がわかるので、安心して保管できます。
もうひとつのおすすめは、バッグ型になったソフトタイプのドライボックスです。そのまま持ち歩くことができるので、入れ替えの手間が省けて便利ですよ。
防湿庫
フルサイズの一眼レフカメラや高価なレンズの保管には、キャビネットタイプのカメラ用防湿庫がおすすめです。自動制御により、常にカメラやレンズの保管に適した湿度と気温を保ってくれます。
プラスチックケースや簡易ドライボックスに比べ初期費用がかかりますが、一番安心感のある保管方法です。
カメラは保管方法によって寿命が変わる
今回は、カメラを長く使うための保管方法をご紹介しました。カメラって、撮影を重ねれば重ねるほど愛着がわきますよね。
私も仕事をするうえでさまざまなカメラを使って撮影しますが、全く同じカメラでも、なぜか自分のものだけがしっくりと手になじむものです。そんな「相棒」とも呼べるカメラを長く大切に使うために、少しだけ時間を使ってお手入れしてあげてみてください。
日ごろのお手入れ
カメラを使った後には、簡単なメンテナンスをする!という流れを習慣づけてしまいましょう。また、レンズの汚れも定期的にチェックしてくださいね。レンズは、カメラ本体から外してリア側からチェックすることで、目立ちにくい汚れが見つけやすくなります。
大切に保管して、長く使おう
大切なカメラを長く使うためには、「日々のメンテナンス」と「保管場所の準備」が必要です。日々のメンテナンスは慣れてしまえば簡単ですし、保管場所もはじめに準備してしまえば、あとはそこにカメラを置くだけです。とっても簡単!だけど、するとしないでは大きな差が出るものです。
少しだけ時間を使って準備をして、相棒とともに楽しいカメラライフを送ってくださいね。