さまざまな思い出とともに、日々増えていく写真のデータ。どうやって整理していますか?「収拾がつかず、そのまま放置してしまっている」という方も多いのではないでしょうか。撮影の楽しさはもちろんですが、その後の写真整理・管理も楽しく行えたらいいですよね!
そこで今回は、「カメラマンだからこそ知っている、おすすめの写真整理術」をご紹介します。撮影後の流れをスムーズにすることで、撮影自体もさらに楽しくなりますよ。
[講師]フォトグラファー aimi
カメラマンも大変!?刻々と変わる写真の整理方法
デジタルカメラで行う撮影は、手軽でとっても楽しいですよね。でもその半面、思わずシャッターを切りすぎて、撮影後に大変になってしまうことも。こんな悩みも、実はデジタルカメラならではのものです。フィルムカメラで行う撮影は、一枚一枚を慎重に撮らないとフィルムを無駄にしてしまうからです。
カメラマンとして写真撮影を行っていると、「デジタルカメラ最高!」という思いと「こんな部分はフィルムカメラのほうが良いかも」という思い、どちらもわいてきます。そこで、まずは写真の整理方法の違いに着目して、デジタルカメラで撮る写真データのいい部分・注意が必要な部分をご紹介します。
写真はフィルムからデジタルへ
今でこそ主流のデジタルカメラですが、広く使われるようになったのはほんの20年ほど前からです。それまではフィルムカメラが主流でした。
フィルムカメラで撮影した写真を見るためには、基本的に「フィルムの現像」をする必要があります。また、現像した写真は、一枚一枚の写真として保管します。手に取って見ることができるのでわかりやすいですが、整理は大変です。増えれば増えるほど場所を取るためです。
ところが、デジタルカメラが登場したことにより、写真の整理はとても簡単なものになりました。パソコン一台あればすべての写真データを整理し、管理できるためです。
デジタル写真データの利点・難点
デジタルカメラで撮影した写真データには、何といっても「かさばらない」という利点があります。どれだけたくさん撮影しても、パソコン上(またはクラウド上)に保存することで、質量は変わらずに保管ができるためです。
そんな便利な写真データですが、少し難点もあります。それは、しっかりとした整理をしないと、写真データがパソコン上で行方不明になってしまうという点です。
デジタルカメラでの撮影はシャッターを切る回数が多くなりがちなので、お気に入りの写真もその他の写真に埋もれやすくなってしまうのです。
カメラマンはこうしてる!写真データの整理方法
写真データの扱い方の難点は、カメラマンのデータ整理方法をまねることで克服できます。「手つかずで放置してしまっている・・・」という方でも大丈夫です!写真データの入っているパソコンを準備して、ひとつずつ整理していきましょう。
デジタルカメラの写真データの基本
写真データの整理方法をご紹介する前に、「写真データってそもそも何?」という疑問に簡単にお答えします。
デジタルカメラで撮影するデータは大きく「RAW(NEF・CR2・ORF・SRF・PEF)」「JPG(JPEG)」の2つに分けられます。それぞれの特徴を以下の表にまとめました。
データ形式 | データサイズ | 特徴 |
---|---|---|
RAW | 大きい | ・非圧縮データで高画質 ・画像編集してもほとんど画質が落ちない ・画像編集には専用のソフトが必要 ・RAWデータのままでは現像できない |
JPG | 小さい(調整が可能) | ・汎用性が高く、そのまま現像できる ・ほとんどの画像編集ソフトに対応 ・画像編集を繰り返すことで画質が劣化する |
画像編集を行う予定がなければ、JPGデータによる撮影をおすすめします。また、使用予定の画像サイズに合わせてカメラの設定を行うことで、さらにその後の整理が楽になりますよ。データ形式や画像サイズはカメラ本体の設定メニューで変更できます。
フォルダを上手く利用!写真データの整理方法
写真データは、フォルダを上手く使って整理しましょう。おすすめは、フォルダ名を「日付_行事名」にしたフォルダをつくり、撮影日ごとに仕分けして写真データを整理する方法です。撮影のたびにメモリカードからフォルダへのデータ移行を行うと、さらに手間が省けますよ。
いちどの撮影分をひとつずつのフォルダに分けたら、次はその中にさらに「編集済み」フォルダをつくりましょう。写真を編集・加工した際は、このフォルダに新しく写真データを保存します。そうすることで、元の写真データを劣化させることなくそのまま保存できます。
上書き保存をしてしまうと、元の写真データがなくなってしまいます。特にJPGデータは編集により画質が劣化してしまうため注意が必要です。
クラウドを活用!写真データの保存方法
パソコンがあれば簡単に整理ができる写真データですが、パソコンの容量には限界があります。特に、RAWデータで撮ることが多い場合や撮影回数が多い場合には注意が必要です。写真データが増えてきたら、パソコンの処理能力を落とさないためにも写真データの保存先を増やしましょう。
写真データの保存には、クラウドの活用がおすすめです。さまざまなサービスがあるので、自分に合ったものを選びましょう。クラウドを利用することで、パソコンへの負担を減らせるだけでなく、いつでもどこでも写真データにアクセスできるという利点もあります。
写真データの整理にかかる時間を短縮!撮影の時に気を付けたいポイント
デジタルカメラは手軽で簡単ですが、その分失敗写真も多く撮れてしまうものです。実は、写真データの整理時間を減らすために一番簡単な方法は、この「失敗写真を減らすこと」です。
そこでここからは、撮影中に気を付けたいポイントをご紹介します。少しの間繰り返すだけで習慣になるので、はじめだけ意識してやってみてくださいね。
撮影前のポイント 適正露出・ホワイトバランス
失敗写真に一番多いのが、適正な露出・ホワイトバランスで撮れていない写真です。特にJPGデータで撮っていると、画像編集による調整に限界があるため、失敗写真になりやすくなります。
この問題は、撮影をはじめる前に露出・ホワイトバランスをチェックするだけで防ぐことができます。まずは一度試し撮りをして、露出・ホワイトバランスを設定し直す習慣をつけましょう。
撮影中のポイント ピント・手ブレ
「構図はばっちりなのに、大きな画面で見るとピントが・・・」「いい表情なのに、よく見ると手ブレしてた!」どちらも一眼レフ撮影あるあるですよね。今しかない一瞬を捉えたせっかくの写真、どれも失敗写真にはしたくないものです。
そこで、撮影中にぜひ頻繁に行ってもらいたいのがカメラのモニターチェックです。いい写真が撮れた!と思った時には、その場でデータのチェックをします。モニター上で拡大して、被写体がしっかり写っていることを確認しましょう。
撮影直後のポイント 不要な写真はその場で削除
モニターチェックの習慣がついたら、不要な写真はそのまま削除する習慣もつけてしまいましょう。「あとでいいかな」が重なると、気づけば大変な作業になってしまいます。
写真データをパソコンに移す時点である程度枚数がしぼれていると、その後の整理も楽になりますよ。
カメラマンおすすめの写真の印刷方法
デジタルカメラで撮影した写真データは、意識的に見返そうとしなければ、手つかずになりフォルダの中で眠ったままになってしまいます。思い出のつまったお気に入りの写真は、ぜひ手にとることのできる形にかえておきましょう。
一枚ずつ印刷して額に入れる
シンプルだけど、そのぶん自由度が高く、写真のよさが活きるのが写真を一枚ずつ印刷する方法です。額に入れたり、アルバムに入れたりさまざまな活用ができます。その中でも特におすすめしたいのは、「一枚ずつ額に入れて、部屋に飾る」という一番ベーシックな方法です。いつでも見ることができますし、写真の雰囲気に合わせて額を選ぶのも楽しいですよ。
額に入れた写真は、シェルフや壁にいくつか並べて飾ると、存在感が出て映えるのでおすすめです。ポートレートだけではなく、風景写真や抽象的な写真やアートもあわせて飾ることで、ぐっとおしゃれになります。
フォトブックなどにまとめて印刷
フォトブックにまとめて印刷するのもおすすめです。表紙にも写真を入れることで、飾りながら置いておくこともできます。手に取りやすいので、家族みんながいつでも見返すことができますよ。
また、持ち運びがしやすいので、さまざまな人に見てもらうこともできます。雑誌のようにおしゃれにつくれるので写真の選定も楽しみつつ、つくってみてくださいね。
自分らしい「写真の整理方法」を見つけよう!
写真データは、普段からたくさんの写真を撮るカメラマンのやり方をまねることで、整理しやすくなります。慣れるまでに少し時間がかかるかもしれませんが、自分なりのアレンジを加えて試してみましょう。
撮影後の時間が楽しくなると、撮影自体もさらに楽しくなりますよ。