カメラのF値を知ろう!カメラ初心者憧れのボケ写真の撮影法も紹介

カメラのF値を知ろう!カメラ初心者憧れのボケ写真の撮影法も紹介カメラ初心者

カメラを購入したら、みなさん一度はやってみたいと思うのが背景をボカした写真の撮影ではないでしょうか。カメラのボケを活かした写真は、一枚の写真の中に奥行きを感じることができてすごくすてきですよね。

ボケを使った写真を撮るには、まずカメラのF値について知っていきましょう。今回の記事では、初心者にぴったりのF値を使ったボケ写真の練習方や撮影のコツなどをご紹介していきます。

[講師]ライター 大室さゆり

スポンサーリンク

F値とは?かんたんに理解できる基本

 F値とは?かんたんに理解できる基本

カメラのF値は、写真の明るさやボケ感を調整するための重要な機能です。とはいえ、F値の基本について知っていないとうまく活かしきれずに撮影が終わってしまうことも。

F値の使い方次第で、写真をどれだけ自分好みにできるかがかわってきますよ。F値を活用してどんな写真が撮れるのか、数値でどのように写真が変化するのかなど、基礎をしっかり理解してボケ写真の撮影に挑みましょう。

F値を変えると写真はどう変化する?

一番最初に理解しておきたいのは、F値を変えることで写真がどんな風に変化するのかということです。まずボケ具合については、Fの数値が大きければ場面全体にピントがあいやすくなり、数値が小さいと被写体の一点にピントが集中しやすくなります。

また明るさはFの数値が大きければ暗くなり、小さければ明るくなります。掘り下げていくとほかの機能との難しい関係性などがありますが、初心者はまずはこのポイントをおさえておきましょう。

そのため、ボケを強調した写真を撮りたい場合はF値を小さくする必要があります。反対に、風景など全体を映したいような場面ではF値は大きく設定すると失敗しません。

F値変更による写真の変化

絞りとF値は同じ?

撮影をはじめる前に、手持ちのカメラではどのようにF値を変更できるのか確かめてみましょう。じつはカメラにはF値というボタンはないため、はじめてカメラを持つひとは困惑してしまうことも多いのです。

一眼レフの場合は、マニュアルモード(Ⅿ)か絞り優先モード(Av/A)を選択するとF値を調整しやすいので探してみてください。すると、先ほどご紹介したようなFが先頭についた数値が設定できるモードに変更されますよ。

ここで「絞りって何?」という疑問が浮かんできますが、カメラ用語では絞り=F値です。F値が変わるとともにレンズ内部の開き具合が絞られることから、一般的に絞りとも呼ばれているので覚えておきましょう。

絞り優先モード(Av/A)は、好みの絞りF値を設定するとほかの部分は被写体に合わせて自動で設定してくれるという機能。対してマニュアルモード(Ⅿ)は、その他の部分も自分で設定する必要があるので初心者には絞り優先モード(Av/A)がおすすめです。

F値の値について


F値の設定できる値は、カメラによって違います。広い範囲をきれいに写すのにはF8~F10あたりが一番適していて、この数値に関してはほとんどのカメラに備わっていると思ってよいでしょう。

しかし、低いF値を設定できるカメラは限られています。そのためボケを活かした写真を優先的に撮りたい人は、購入するときにどの程度数値を低く設定できるか確認しておくと安心です。

現在販売されているカメラでは低い数値でF4〜F5程度が一般的。それ以降のもっと低いF値を求める場合は別でレンズを購入することになるのですが、撮影法によってF4でも背景ボケの写真を撮ることはできるのでまずは付属のレンズで練習してみましょう。

ボケ写真を撮影するための練習法

ボケ写真を撮影するための練習法

ボケ写真の撮影は意外と難しく、思い通りにいかないこともあるでしょう。しかし、最初のうち感覚をつかむまでは失敗はつきものです。

ボケ写真は、基本的な知識を覚えていろいろなシチュエーションで数をこなしていくと自然とコツがつかめてきます。誰でもできるコツや練習法をご紹介しますので、どんどん練習していきましょう。

被写体と背景の距離に注目して 

はじめのうちに陥りやすいのが「F値を下げて撮影してみても、ボケの効果が得られない!」といった悩み。標準のレンズでこの問題を解決するには、被写体と背景の距離に注目してみるとよいですよ。

下記の写真を比較すると、背景に写りこむどんぐりの距離が近いとたとえF値を小さく設定してもそれほどボケずに写ってしまうのがわかります。右のように、主役にしたい手前の被写体と背景の距離が遠いほうがよりボケの効果を発揮することができるのでぜひ挑戦してみてください。

手前の被写体との距離5cm
手前の被写体との距離5cm
手前の被写体との距離20cm
手前の被写体との距離20cm

ズームレンズを使う

既定のF値でボケの効果を大きく発揮させるには、レンズのズームを使うのもおすすめ。ズームせずに撮影するよりも、格段にボケを表現しやすくなります。

コツは、撮りたいものにできるだけズームレンズの距離を寄せること。このとき、自分が被写体に寄って行くのではなくあくまでもズームレンズで被写体に寄ることが大事です。

撮影者は、ズームで寄って被写体を大きく写せる場所まで下がりましょう。レンズで撮りたい場所をとらえたら、強調したいものにピントを合わせてシャッターを切ります。

このやり方で、F4〜F5程度の数値でも十分なボケ効果を得ることができるようになりますよ。

まずは動かない被写体で練習

背景ボケで、子どもや動物を撮りたいという希望は多いですよね。しかし、最初から動く被写体を背景ボケでとるのは難易度が高すぎます。

F値の性質を理解するためには、とにかく枚数を撮影して多くのパターンを知ることが重要です。そのため、最初の練習は植物など動かないもので練習すると上達も早くなりますよ。

お子さんのいる方は、子どもの手につかんだ花や落ち葉などを撮影してみるのもよいでしょう。集中しているときは動きが止まっていて撮影しやすいシャッターチャンスです。

距離の取り方などに慣れてきたら、徐々に動く被写体にもチャレンジしてみましょう。動く被写体を撮影するときには素早くピントを合わせる必要があるので、画面をタッチするだけでピントを合わせられるタッチAFなどの機能も活用すると撮影しやすくなります。

絞り優先モード(Av/A)で撮影するときの注意点

絞り優先モード(Av/A)で撮影するときの注意点

ボケ写真の初心者におすすめの撮影法として絞り優先モード(Av/A)がありますが、実は欠点もあります。想像どおりにボケ感が得られない、写真がぶれてしまうなどの悩みがある場合は一眼レフカメラならではの特徴が影響している可能性があります。

ここからは、絞り優先モード(Av/A)で起こりがちな小さな問題を解説します。困ったときには一度確認してみてください。

カメラのF値を活かせない可能性がある

絞り優先モード(Av/A)では、絞り以外の部分は基本的にカメラが自動で設定します。とても便利な機能ですが、一方でカメラに備わっている最小F値まで使うことができていないという問題が発生することがあります。

例えば実際にはF4まで絞りを小さくできるカメラでも、絞り優先モード(Av/A)ではF5までしか選択できないといった現象。これは、絞りの機能がシャッタースピード(Tv)やISOといったカメラのほかの機能の数値に左右されていることが関係しています。

しかし、この問題を起こさないようにするためにはマニュアル(M)モードをすべて兼ね備えた設定にすることが必要です。しかし、初心者には難しいので少しずつ覚えていくようにしましょう。

実際、絞り優先モード(Av/A)でも周りの数値は変わっています。F値を変更するときにほかの設定がどのように変化しているか毎回確認して覚えておくと自分でマニュアル(M)モードを使うときにも役に立ちますよ。

こちらの記事ではそのほかのモードとの関係ついても詳細な解説があります。次のステップでぜひご覧ください。

手ぶれに注意

絞り優先モード(Av/A)で全体を撮影したいときに注意したいのが手ぶれです。実は、ピントを合わせるためにF値を上げて撮影すると、写真がぶれやすくなります。

これは、F値を大きくすると連動してシャッタースピードが遅くなることで発生している現象。F値が高めの撮影では、出来上がった写真を見たら全部ぶれていたということにもなりかねないので気を付けなくてはいけません。

ボケ写真の撮影にはあまり使いませんが、特にF値11以降はぶれやすくなってくるので数値の上げ過ぎには注意が必要です。

F値を理解すればボケ写真はカメラ初心者でも撮影できる!

 F値を理解すればボケ写真はカメラ初心者でも撮影できる!

今回は、カメラのF値や初心者でもボケ感のある写真が撮れる方法を解説してきました。ボケ写真を、少し身近に感じることができたでしょうか。

カメラにはいろいろな撮り方があり、それが楽しいところでもあります。しかしレパートリーが増えれば増えるほど覚えることも多く、難しく感じてしまいますよね。

ポイントは、自分の撮りたい写真に沿った知識から覚えていくことです。カメラ初心者にとって一見難しそうなボケ写真でも、コツさえおさえれば専門的な機材や技術がなくても撮ることができますよ

この記事を書いた人
ライター 大室さゆり
  1. ライター 大室さゆり

ライターとして活動しながら、男の子の子育てをしています。 ママと子どもの日常を撮影させていただく機会を提供するため、思案中。