「子どもの写真をもっとキレイに撮影したい…。」
「カメラを買ってみたいけどレンズの種類がわからない…。」
こういった悩みはレンズの基礎知識を身につければ解決できることをご存知ですか?レンズの特性を知ると、どんな写真を撮ることができるのかわかります。家族写真・子どもの写真・旅行の記録など、目的に合ったレンズ選びができるようになりましょう。この記事では、どうしてレンズがあるのかという根本的な理由から、レンズの種類ごとの特徴まで解説ています。最後までご覧くださいね。
[講師]webライター ぎんちゃん
はじめてのレンズは「ズームキット」で大丈夫
「カメラを買いたい・カメラを買ったばかり」という本当に初心者の方は、カメラ本体と標準ズームレンズがセットで売られている「ズームキット」を購入すれば大丈夫です。
カメラ本体とレンズのメーカーが一緒で、万一不具合が起きたときもメーカーへの相談が簡単です。単体でレンズを購入するより安く買えますし、カメラの基本を学ぶのに最適なセットといえるでしょう。
とりあえず「ズームキット」
はじめてカメラ・レンズを購入する場合は、ズームキットの購入がおすすめです。
ズームキットには「標準レンズ」と呼ばれるレンズがついています。後ほど説明しますが、標準レンズがあれば風景写真から人物写真まで何でも撮影できてしまいます。
家族との思い出や子どもの成長記録を一眼カメラならではの画質で写してみたい方はズームキットからはじめてみてください。
予算が許せば「ダブルズームキット」
予算が許せばダブルズームキットを購入してもよいでしょう。
ダブルズームキットは、標準レンズに加えて「望遠レンズ」がセットになって販売されています。望遠レンズは名前のとおり遠くを写すことが得意で、スマートフォンのカメラで撮影する写真とは明らかに異なる「一眼らしい」写真を撮ることができます。
1本ずつレンズを購入するより安い場合が多いですし、標準レンズだけ購入すると後々望遠レンズが欲しくなるので、ダブルズームキットを選んでもよいでしょう。
そもそもレンズの役割ってなに?
カメラは本体とレンズが一緒になってはじめて撮影ができます。
デジタルカメラには撮像素子と呼ばれる部品があり、ここに光を当ててから複雑な処理を経て、私たちは写真を見ることができます。撮像素子に光を集める役割を果たすレンズがなければ写真を撮ることができないのです。
役割がわかったところで、たくさんあるレンズの中からあなたにとって最適のレンズを選ぶため、それぞれの特徴を見てみましょう。
大きく分けるとレンズは「2つ」に分けられる
カメラのレンズはたくさん種類がありますが、大きく2つに分けることができます。1つ目は「単焦点レンズ」、2つ目は「ズームレンズ」です。
単にズームができるかできないかという違いですが、撮影するときの使い心地も、撮影した写真の出来ばえも異なるので、違いをしっかり把握しておきましょう。
プロのようなボケ味「単焦点レンズ」
単焦点レンズはズーム機能を持っておらず、焦点距離が決められたレンズのことをいいます。焦点距離が短いと広い範囲を撮影でき、焦点距離が長いと被写体に寄った写真を撮ることができます。
焦点距離が決められているということは、広い範囲を撮影したいときは自分が遠くにいき、グッと寄った写真を撮影したいときは、自分が近づいていく必要があります。ここだけ聞くと、とても不便なレンズに思われるでしょう。
実際、運動会など被写体に近づいて撮影したくても近づけなかったり、集合写真でもっと広い範囲を写したいのに撮影者が動けない状況では、不便なレンズといえます。
しかし、単焦点レンズは「プロのようなボケ味・暗い場所での撮影が得意・レンズが小さく持ち運びに便利・比較的安い」といったメリットも持っています。
レンズの構造が単純なためシンプルに画質がキレイなので、今までスマートフォンのカメラを使っていて画質に不満を感じていた方が単焦点レンズを使うと、その写真の仕上がりに驚きの声をあげるでしょう。
写る範囲を調節できる「ズームレンズ」
ズームレンズは単焦点レンズとは反対に、焦点距離を自由に動かすことのできるレンズです。撮影者がその場に留まっていても、ズームリングを回せば広い範囲を写したり、被写体に寄って撮影したり、容易に写る範囲を変えられる便利なレンズです。
例えば運動会で望遠のズームレンズを使えば、お母さんは応援席に留まったまま、縦横無尽に走り回る子どもの姿を寄り引き自由に写すことができます。
画角(写る範囲)でもレンズは分けられる
焦点距離の考え方でズームレンズと単焦点レンズに分類をしましたが、別の角度から「焦点距離」によってもレンズを分類することができます。レンズによって、遠くを写すのに適している、近くを写すのに適している、使い所が決められているんですね。
一般的には「標準レンズ」「望遠レンズ」「広角レンズ」の3つに分類されますが、ちょっと特殊でおもしろい「マクロレンズ」「魚眼レンズ」についても解説します。
人の目から見た印象に近い「標準レンズ」
最もポピュラーで使い勝手がよいのは「標準レンズ」です。
私たちが目で見た映像に最も近い写真を撮ることができます。販売されているカメラでは18-55mmなどと表記され、大まかに50mm前後の焦点距離を持つレンズが該当します。
被写体とその周囲をバランスよく撮影できるので、家族の日常やお散歩をしているときのスナップ写真を撮るのに適しています。広角域までカバーしているレンズも多いので、風景写真の撮影にも使えます。
遠くの物を近くに寄せる「望遠レンズ」
標準レンズの次に人気があるのは「望遠レンズ」です。
撮影者が動かずに遠くの物を近くに引き寄せて写すことができます。焦点距離が長くなると写る範囲が小さくなるので、写したくないものを意図的に排除して撮影でき、写したいものだけを目立たせて撮影することもできます。また、被写体にグッと寄った写真が撮れるので、ダイナミックで惹きのある写真を撮ることができます。
学校の発表会などで他の子どもを除いて我が子だけを切り取って撮影したり、運動会で子どもの頑張る表情だけを寄せて撮影したりすることができます。
広い範囲をダイナミックに「広角レンズ」
通常の用途で使用することが少なくなってくるのは「広角レンズ」です。
焦点距離が短く広い範囲を撮影することができます。高原や海など、面積が大きなものを表現するのに適しているほか、子どもを写しながら周囲の風景も一緒に撮影できるので、思い出写真にも適しています。
ちょっと特殊な写真を「マクロレンズ」「魚眼レンズ」
最後に紹介するのは変わり種「マクロレンズ」と「魚眼レンズ」です。
マクロレンズは近距離での撮影で最も画質がよくなるように設計されています。赤ちゃんのきめ細かな肌が美しい写真、葉っぱの上に落ちている水滴の写真、人の瞳にギリギリまで近づいた写真など、とにかく接写できるレンズです。
魚眼レンズは広角レンズの仲間で、分かりやすくいうと超超広角レンズ、広い範囲を撮影するためのレンズです。広く写そうとするあまり、魚の眼、魚眼で見るような世界観が写せます。
マクロレンズや魚眼レンズは、そのレンズに切り替えるだけで特殊な世界観を表現できるので遊び感覚でつけてみてもおもしろい写真が撮れますよ。
いろんなレンズを試して私だけの1本を
どうしてレンズが必要なのか、その仕組みについて解説しました。たくさんあるレンズを分類して、それぞれの特徴についてもまとめたので、目的に合ったレンズを探してみてください。
どのレンズがあなたに適しているかは分かりません。その理由は、「あなたがどんな写真を撮影したいか」が分からないからです。一方で、どんな写真が撮りたいのかを明確に説明できる初心者も少ないでしょう。
だからこそ、最初はズームキットなど標準的なレンズで色々なものを撮影してみて、自分が撮影したいものを見つけてみましょう。撮影対象が決まれば、必要なレンズも自然に決まるので「こんな写真が撮りたい」が生まれるまであらゆる写真を撮ってみるのがおすすめです。
お子さんの運動会、成長写真、撮りたいものが決まっている場合は、今回の解説を元にレンズを選んで最高の写真を撮影しに出かけてみてくださいね!